「でも、あたしたちだって真剣に…ッ!」

「大人にとっては!!
 …俺たちは遊びなんだよ」


 初めて見る光のつらそうな顔に何も言えなくなった。

 真剣にやってるのに、まだ高校生だから認めてもらえないの?

 そんなの…不公平すぎる。


「真剣なのに!
 その気持ちはプロにも負けないのに!!」

「ッンなこと言ったって大人にはわかんねぇんだよ!!!!」

「大人にはわかんなくたって、光にはわかるでしょ?!?!」

「そんな戯言、通用しねぇんだよ!!!!」

「―ッ光のバカ!!」


 駆け出した足を止めることは出来なかった。

 溢れる涙を止めることなんて、出来なかった。

 初めて光と、本気の喧嘩をした――。







「待てよ藍架ッ!」

「っ…」


 ぐいっ、と腕を掴まれた。

 顔見なくても、誰か、なんて…わかってる。