「ひどい…っひ、く…」


 泣き出した涼を芳斗が抱きしめる。


「なんで…っ」

「ざけんな…ッ!!」

「光?!」


 校長に飛びかかる光。

 胸ぐらを掴んで、至近距離で睨んだ。


「利用するときだけ利用しやがってッ!!」

「事実を言って何が悪い」

「…っ」


 校長の言葉が痛い。

 あたしたちの歌がいらないのが、事実なの??

 それ以外、ないっていうの?

 頭の中で何かが切れる音がした。


「…この学校の校風は独自に輝く、じゃないんですか?」

「…そうだが」


 あたしの静かな声が校長室に響く。

 あたし…今、キレてるかも。


「教育者が子供の夢を壊してどうするんですか!?!?」

「学生の本分は勉強のはずだ」

「でも独自に輝くんなら、勉強だけじゃないはずです!!」