「そんなカッコで他のオトコ誘惑されたらな〜」
「あ、あたしは神矢くんしか見えてないよっ!」
そう、素直に言うと神矢くんは口角をあげて……
「知ってる。オレもお前しか見えてねぇから。」
そんな照れるようなことを当たり前に言うんだ。
クリスマスツリーの電飾だけの部屋はロマンチックで、まるで二人だけの世界のようだ。
そのとき、カチ、カチっと音がして0時を迎えた。
シンデレラは魔法がとけてしまう時間だ。
「……夢、じゃないよね。魔法、とけないよね……」
「魔法?んなもんねぇよ。オレはここにいるし。お前もここにいる。」
そう、確かめるようにあたしを抱き寄せる。