「……お前、何してんの。男にこんなことして襲われても知らねぇよ?」



バカにするように笑った神矢くんの声は微かに震えていた。



「……あたしが全部、全部受け止めるよ。」


だから……そんな切ない顔しないで。


抱きしめる腕を強めると神矢くんはあたしの肩に頭をのせた。



「お前ってバカだよな。形振り構わず突っ込んできて……でも、そんなお前なら信じられる。」



あたしの背中に神矢くんの腕がまわってギュッと強く抱きしめてきた。


お互いの心臓が音を立て重なる。



「芽衣、オレから離れんな。」



壊れそうなくらい低く掠れた声。


あたしが傍にいることで神矢くんが救われるなら

あたしは何処にもいかないし────


「あたしは裏切らないよ。」




だから、お願い。

信じて。