「じゃ、芽衣ガンバレ!」


慶樹くんの腕にさりげなく自分の腕を絡めた理沙はそう言って行ってしまった。

相馬くんは緊張してるのかガチゴチだ。


そんな二人を追いかける女の子たち。



なんか……凄いことになったかな?



ってか、ガンバレって……何を頑張るの?



二人の姿を見届けてあたしはマンションまでの道のりを歩く。


本当は、あたしだって花火見たかったし。


なんて思っているとマンションに着いた。
しかし、そのとき足に痛みが走って……


「……痛っ!」


下駄の鼻緒に足の指が擦れて血が出ていた。

待ち合わせ場所まで走ったからだ……


我ながらアホというかバカというか…実感する。


壁に手をついて立ち上がろうしたときマンションの入り口付近で怒鳴りつけるような男の声が聞こえた。