「……芽衣」


玄関に向かおうとしたときふいに呼び止められた。


「……どうしたの」


ゆっくりと近づいてくる神矢くん。


え?何…?あたしの顔に何かついてる?


ペタペタ顔を触っていると

神矢くんは首筋に顔を埋めた。



「か、神矢く…ん?」


何やら吸い付かれるような痛みが走る。


力がどんどん抜けていきそうで……


「……やっ、やめ……」



抵抗するあたしに顔を離した神矢くんはニヤリと微笑んで



「気をつけろよ?」



普通の言葉なのにどこか意味深だった。



あたしはそんな神矢くんに留守番を頼んで理沙と待ち合わせの駅前へ走った。



「理沙〜〜!!」


「芽衣ってば遅いっ!」



理沙はベンチに座っていたようで立ち上がった。



「ごめん!…理沙可愛いね!」


理沙は紫の浴衣でなんだかセクシーで
サラサラの髪は編み込んでいるようだ。



「……っ、あんたに言われたくないわよっ!お団子しちゃって。うなじが……ん?何この痕」



すると、理沙はハッとした表情をした。