「……っ!」
確かに。浴衣ってどうやって着るんだった?
お母さんに着付けしてもらったことしかないから全くわからない。
理沙との待ち合わせまであと1時間もない。
要するに、ヤバい。
神矢くんはというとニヤニヤベッド上で笑っていた。
「何よっ!早く出て行ってよ!」
「オレ、着付け出来るよ。」
そのとき神矢くんは勝ち誇ったような顔で言った。
「じ、自分で出来るもんっ!」
神矢くんに着付けしてもらうとか恥ずかしすぎる!!!
「じゃあ、ヘタクソでボロボロなカッコのまま行くんだなお前は。」
なんて、言うから────
「……お願いします。」
としか、言いようがなかった。