「ち、チビで悪かったわねっ!」
すると、神矢くんは一番上にあった長くて平らな箱をクローゼットから取り出した。
「……コレだろ?」
神矢くんが取り出したものは……アサガオが綺麗な紺の浴衣だった。
「……どうしてこれ」
「今日、祭りなんじゃねぇの?」
とカレンダーを指して言った。
ああ、カレンダーにも印付けたんだった!
「……あ、ありがと。」
浴衣を受け取ると神矢くんはあたしのベッドに寝転がった。
「ちょっ、早く出て行ってよ!早く着替えなきゃ時間!」
あたしは出て行くように言ったけど
神矢くんは全く聞いていないようで笑っている。
「な、何……?」
「なぁ、それ一人で着れんの?」
ニヤリと微笑んだ神矢くんの顔は
いつかの悪魔に見えた。