でも、この女と一緒にいることで色々忘れることが出来た。


柄にもなく、結構楽しんでいる自分がいた。


そんな時間はどんどん過ぎて行き外はすっかり暗くなっていた。



「はぁ〜楽しかった!ねぇ次どこいく…?」


オレはそんな女の腕を掴んだ。

どこって、分かって言ってんだろ。



「最後はここしかないでしょ」


ある建物の前で立ち止まると女は急に顔を怖ばせた。


「ここ、ラブホ!?何で……」


「は?お前が誘ったんだろ。」


すると、女はオレを睨んできた。


「私はそんなつもりじゃ……」


大抵の女はそう言う。
そんなつもりじゃなかったと。

ここまで純粋ぶってんのか知らねぇけどもう遅い。


「お前もこれを待ってたんだろ、?」


耳元でそう囁いてやると女は一層に顔を怖ばせその場から動こうとしない。


しつけぇな。普通はここで素直に入るだろ。



すると、女は掴んでいた手を振り払った。


「……聖くんもそんな人だったんだね」