............ん?

ここはどこだろう。
なんか...カビ臭ぇ...。

...ん?何か聞こえる...。

「ーー×!×ってば!!」

!?
バッと起き上がり、声のする方を見る。
■が白衣の女性を揺すり涙をこぼしていた。
驚いて駆け寄る。

「どうしたんだよ!?何があった!?」

「ここ...、つ...っ....た...、×が....お...てっ....!」

■に問いかけるが、涙で顔はぐちゃぐちゃ、言っていることもよくわからない。

「落ち着けよ!とりあえずほら、深呼吸しろ。吸って〜」

俺の指示に従い、■は大きく息を吸う。

「吐いて〜。
...落ち着いたか?」

涙は止まっていないが、多少落ち着いたようだった。■はコクリと頷く。もう一度問いかける。

「何があった?」

「ぐすっ...ここに着いたら...っ....、×が倒れてて......ぐす」

今度は聞き取れた。×...。■が抱きかかえている女性だろう。
見てみると結構美人で胸が大き...じゃなくて。
息が上がり、顔は火照っていた。うおお...えっろ....じゃなくてっ!この健全エロ男子高校生め!

「大丈夫。ただの熱だ。氷とかあるか?」

「熱...?氷...、無い...」

"熱"という言葉に戸惑いながら答える。まさかと思うが熱を知らないとかないだろうな。

「氷無ぇのか...。上まで戻れるか?」

さっき通った空間を再び通るなんて口から異物が出てきそうだが、止むを得ない。

「待って、氷必要なんでしょ?呼ぶから」

呼ぶ?氷を?氷に足が生えてトコトコ?
ありえん...。どういうことだ?

自問自答を繰り返していると、■は目を閉じた。
両手を出し、意識を集中している。
...??

はてなマークを頭に浮かべていると、■の周りが赤く光りはじめた。
なんだこれ!どこの漫画だよ!?こいついったい何者なんだ!?

すると、突然■の手の前から炎が出た。
■は炎に呼びかける。

「突然呼び出しごめん、×の部屋にきて欲しい。
...うん。ごめん。わかった、待ってる」

会話を終えると炎は一瞬で消えた。

「い、今のなんだよ!?」

驚きのあまりへたりこんでしまう。

「会話したの。今氷属性の人呼んだ。」

??
全くわからない。炎と会話?氷属性?
わけがわからない。

「やっぱ人間にはわかんないか...。」

そう言い、■は俺の隣に腰をおろした。