強打した腰をさすりながら立ち上がる。
とりあえずこのまま連れていかれたらヤバイ。
相手と一定の距離を保つ。
目の前にすると相手の容姿は予想通り小学生くらいだった。
服装は半袖のブラウスか...?素材が俺のと違う。いや、仮にブラウスとしておこう。
下もブラウスと同じ記事のスカートだった。
頭髪は短く切られ、ボサボサと重力に逆らっていた。
腕も筋肉ムキムキというわけではない。
至って普通の小学生だ。頭部に耳が生えているが。

「...なぁ、お前一体何なんだ?あと俺をどうするつもりだよ。」

ここはどこだ。今は何時だ。
...他にも聞きたいことはあるが、身を守るのが最優先だ。質問を最小限に抑え、ぶつける。

「私は■。これから×の部屋であなたの治療をするの。
で、あなたは?」

高圧的な態度で返され、多少たじろいでしまう。

「お、おう...。俺は●だ。×って誰だ、なんなんだその治療ってのは...。」

しどろもどろに自己紹介をする。
赤の他人(しかも敵と思われる)奴に名前を名乗ってよかったのかは分からないが、もう後戻りできない。仕方ない。

「まーいいでしょ!部屋についてからで!ほらさっさと歩く!」

腕を引かれ、半分強制的に連れていかれる。まだ気になる点はあるが、“部屋”につけば分かるだろう。
俺は引っ張られるまま進んだ。