しばらくの沈黙の後、椎名さんは急にハッと我に返ってあたしに頭を下げた。
「ご、ごめんなさい!知ったような口聞いて…
こ、このことは誰にも言ってないから!」
椎名さんがまた頭を下げたと同時に、次の授業開始のチャイムが鳴った。
椎名さんは走って転びそうになりながらも、去っていった。
周りからもそう見えてたんだ…
周りって言っても椎名さんだけだけど。
でも他人からそんなこと言われたのは初めてだった。
恋人に見えてたんだ、あたしと和穂。
そう思った瞬間に顔が熱くなった。
この顔の熱さは…もしかして…
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