見上げると和穂が目の前に立っていた。




和穂の不敵な笑いがあたしの身体に危険信号を出した。




ヤバい…




咄嗟にパジャマを今まで以上に使って上半身を隠す。




それを見た和穂の笑みがより一層深まった。




「…おい…」


「…な、何…」




ゆっくりとお尻と足で後ろに下がる。
でも和穂はその倍の速さであたしに迫ってくる。




背中にタンスが当たった。
これ以上下がれないと背中に走るヒヤリとしたタンスの冷たさで感じた。




和穂はあたしの前でしゃがみ、あたしの顎を持った。




「…早く服着ねぇと、襲うぞ?」




な!?
何言ってんの、この変態悪魔!




そんなこと言うなら…




「だったら出てけ、クソ悪魔!」




あんたが出ていかないと服が着れないでしょうが!




顔が熱くなりつつも和穂を追い出す。




和穂に間近で見つめられ、あたしの心臓はうるさく高鳴っていた。