驚きすぎて悲鳴も出ない。
和穂は壁に寄りかかって切れ長な目でじっとあたしを見てる。
あたしは慌てて脱いだパジャマで上半身を隠した。
「…ちょっと何で入って来てるの!?鍵かけておいたのに…!」
ヘタリとその場に座り込む。
驚きすぎて身体が固まる。
「…俺にこんなの取られて、さすがはクソガキだな」
チャリッ
和穂が手に持っていたものを、ぶら下げるようにしてあたしに見せた。
それはリビングの隅に置いておいた合鍵だった。
誰にも見つからない、あたしだけが分かるような場所に置いといたのに…。
その合鍵をまさか持ち出されてたなんて、しかも勝手に。
消えろ、クソ悪魔。