「やめて!離してよ!離せ!クソ悪魔!あんたの優しさなんていらない!」
力強く叩いても、和穂の腕があたしを離すことはなかった。
むしろあたしの手が動かせないほどに強く抱き締めてきた。
やめて…やめてよ…
こんなことされたら、あんたの温もりを感じたらあたしは…
「…こんなことされたら、あんたを頼りたくなっちゃうじゃんか…!」
今にも消えそうな声で言って、一回だけ強く和穂の胸を叩いた。
そうだよ。
あたしは1番あんたに迷惑かけたくない。
でも、
あんたに1番守られたいんだよ。
あたしの側にいて、あんたの腕の中にいたいんだよ…