「…何?何のこと言ってんの?意味不明なんだけど」
腕を組んで、態と冷たく突き放す。
それを全く動じず、和穂はあたしを見つめている。
「あの頃と同じ目をしてた。3年前のこと思い出してたろ」
ズキッ
何で気付くの?
そうやってあたしのこと何でも分かるみたいに言わないでよ。
あたしはあんたに1番迷惑かけたくないの、察してよ。
でもね、でもほんとは…
「3年前のこと?そんな昔のことなんて忘れたわよ。
先生は誰か他の方の記憶と間違えてるんじゃないですか?」
若干声が震えた。
気付かれたくなくて窓の外を見る。
あんたはあたしのことには鋭いから、震えてるなんてこと気付かれたくない。