「…愛羅…!愛羅!!」
あたしがいることを確かめるように、和穂は抱き締めてきた。
いつもあたしのこと「クソガキ」って言ってるのに、今日は名前で呼ばれた。
抱き締められて伝わってくる、和穂の体温。
あれ…あたし生きてるんだ。
お父さんとお母さんがあたしを守ってくれたから生きてるんだ。
じゃあもし、あたしが信号が青になっても注意して2人と一緒に歩いていたら…?
あたしは事故に遭わずにお父さんとお母さんも生きていられた?
今の時間ならもう買い物も終わって家に3人で帰れたよね。
じゃあこれって…
「あたしの…せいなの?」