近くにあった水の入ったコップを持って、それをあたしの口につける。
そして無理矢理水を飲まされた。
薬は喉を通っていった。
薬を飲み終わってもまだこの体勢のまま。
「ちょ、もう飲んだから早くどいて…」
あたしが言うと和穂はじっとあたしを見て、頭を一撫でして起き上がった。
顔が熱い。
心臓の鼓動がうるさい。
これは、何?
ちょっと意地悪されただけでこのドキドキは何?
心臓の鼓動がうるさくて和穂の声が聞こえない。
少し黙ってよ、あたしの心臓。
そして熱を下げてよ、あたしの顔。
あたし今どんな顔してるんだろう。
こんな顔、和穂に見られたくない…
チクッ
あたしは痛んだ胸のところのワイシャツをギュッと掴んだ。