味に厳しいの、お前が一番よく知ってんだろ?
そう言ってニヤリと笑う、クソ悪魔。
何それ、聞いたことないんだけど。
でもいい。
ちゃんとおいしいって言ってくれたから。
自然と口元が緩み、あたしは笑いながらお粥が終わるまで和穂にあげ続けた。
そんなあたしをじっと見てお粥を食べてる和穂には全く気付かず。
お粥を全て完食した和穂は、あたしが昨日買ってきた薬を飲んでいる。
あたしは使った食器を軽く洗う。
薬を飲み終わった和穂がキッチンにやってきて、シンクの中にコップを入れてきた。
そして一言囁く。
「……ありがとな」
「…へ?」
和穂の口からお礼が聞けるなんて思わず、変な声が出てしまった。
手を止めて和穂を見ると、和穂の頬は若干赤くなっていた。
「…いや…お礼言ってなかったから…
とにかく、二度は言わねぇからな!」
和穂はそれだけ言うとサッサとキッチンから出て行った。
プッ
おかしくてつい吹き出してしまった。
いつも意地悪だけど、なんだかんだこうして素直に気持ちを伝えてくれる。
そこも昔から変わらないし、好きなんだよね。