ゆっくりと和穂はお粥を噛んで飲み込んだ。
さっきから気になっているのは、お粥の味。
一応味見はして、問題はなかったんだけど…
和穂がそれをおいしいと思うかどうかが一番の問題だ。
その肝心の悪魔はさっきから何も言わずに、口を開けて次々とお粥を食べていく。
そろそろ言ってくれてもいいんじゃないの?お粥の味。
「…ちょっと、お粥の味はどうなの?」
ついに限界を迎えたあたしは聞いてしまった。
和穂は一瞬目を見開いたけど、すぐにクスクスと笑った。
「…俺のことずっと見てるから、見惚れてるのかと思った」
「んな!?そんなわけないでしょ!自惚れんな!」
かっこいいのは事実だけど、決してそんなことは言わない。
和穂は口に入れたお粥を飲み込んで、あたしを真っ直ぐに見た。
「…そんな心配しなくても、ちゃんとうめぇから安心しろ」