あたしの肩口に額を埋めて大きく息を吸ってる和穂。




そして顔を上げて、真っ直ぐにあたしを見つめてくる。




「…風邪を引いたのは完全に俺の体調管理不足だ。お前のせいじゃねぇよ。だから何でもかんでも自分のせいにすんな」




和穂の片腕はあたしの腰に回して、もう片方は頬を優しく撫でる。




その仕草一つ一つが好きすぎて…




つい気持ちよくて目を閉じてしまう。




ふっと、和穂が笑ったような気がした。




「…今までもこれからもずっと一緒だから…な…」




語尾が途切れた。
驚いて目を開けると、和穂はスヤスヤと眠っていた。




あたしの頬に手を置いたまま。




クソ悪魔。
寝落ちとかあり得ない。




でもすごく気持ち良さそうに寝てる。




さっき玄関で倒れてた時はすごく苦しそうな表情してたから。




ギュッとあたしの頬に置かれた和穂の手を握る。