『ロイ』




旧名トゥルークの王子。悲惨な過去を持ち家族とは疎遠だったが、デカル教が消滅してからは次第に彼らと交流を持つようになった。

ケルビン建国に全力を尽くしその豊富な知識をもたらした。皆が苦手とする行政の土台を築き上げ自分がいなくとも国民だけで事ができるように改善を重ねた。


もう自分の手は必要ないのだと確信すると、故郷へと帰って行った。それはギルシードが去ってからまもなくしてのことのため、もしかしたら彼を探しに行ったのかもしれない、と皆は噂したが定かではない。

トゥルークに戻ったことは確かだが、長居はしなかったと記されているため、噂は本当なのかもしれない。


しかし、しばらくして病に伏しトゥルークへと帰って来た。彼は多くは語りたがらなかったが、その穏やかな表情からは語らなくとも伝わるものがあった。



享年35。