「好きかぁ…」

そんな事を考えて廊下を歩いていると

「前を見てくださ～い」

と、後ろから声をかけられた。
私は
すぐに後ろに振り返ると
そこに居たのは神埼将太だった。

「神埼将太!」

そう言うと
びっくりしたように神埼は

「フルネームって…」

私は
色んな事が頭の中で出てきた。
そして
一つにまとまった時にこう言った。

「あなたは誰なの?」
「はっ!?」

わかっていた返答だった。
でも、
私の中では色んな事を推理していた。

「あなたって本当に神埼将太?」

私は真剣な顔をして言った。
すると
神埼は何かを諦めたような顔だった。

「何…?」

私は不思議に思って聴いた。
すると
さっきまでとは違う顔の別人のようだった。
そして
深呼吸をした後こう言った。

「あんたって、相川知ってるだろう?もちろんそいつの本名も知ってるだろう?」

この人は何を言ってるんだ。
そんな事を思いながらも私は頷いた。

「じゃあそんな感じだ。俺も高島と同じなんだ」

私は目を大きく開いてこう言った。

「あなたはじゃあ誰なの…?」

すると
神埼は不気味に微笑んでこう言った。

『前田小太郎』

私は
頭の中で高島の言ってた事を思い出した。

『あなたの後悔のもとになる3人の内の1人』

私は
強く思った。

前田小太郎は私の後悔のもとになる
1人であるって事と
高島とつながってるって事を…