「久しぶりだな。こうやって3人でやるの…」

「そ、そうだね…」

何だか気まずい感じだ。
ウチは返事をするのに必死だった。

その時だった。
雅木はウチを和ませるために。

「菜月と会ったのか…?」
と、言った。

「…ううん」

雅木は「そっか」と言った。

そしてまた沈黙が続いた時に今度は打ち明けるみたいに言った。

「俺さ大山と話したんだ」

「えっ…?」

ウチは未来の名前に反応した。

「な、何の話したの…?」

「これからの事」

ウチは胸騒ぎがした。

「それって…」

「うん。結婚だ」

『結婚』

その言葉はウチを苦しめた。

ウチはまだふっきれていない。
そう思った。
だからこそ辛い…。

「そ、そうなんだ…」

「大丈夫だ!!式には呼ぶから。みんなには2年後に会った時に言うつもりだから。飛鳥が最初だぞ?嬉しいだろ」

雅木は幸せそうだ。
ウチは作り笑いしか出来なくなった。

「幼馴染はやっぱり大切にしなくちゃダメだろ?」

もう聞くのも嫌になってきた。
だが雅木は何もわかってない。

「たぶん…。会ってから一ヶ月後ぐらいになると思うから…。遊んでられるのも今のう…」

「もうやめて!!」

ウチは声を上げた。

「あ、飛鳥…?」

「もう聞きたくない!!ウチはそんな話聞きたくなかった!!ウチは…。ウチは…」

もう自分では押さえられなくなっていた。

『ウチは今でも雅木が好きなんだよ!!』