そう言って希ちゃんは話を始めた。

「まず前田との関係を言おうか…」

そしてみんなは唾を飲み込んだ。

「私と前田は姪っ子とおばになるの」

『えっ…?』

「私の兄の子供が前田って事」

みんなは完全に放心状態だ…。

「私の旧姓は『前田希』だ」

『えぇ~!!!!』

「希ちゃん結婚してたの!?」

「うん…。まぁね…」

「杉本先生が結婚…」

「ありえない…」

「じゃあ何で学校が…」

「そんな事聞いた事ない…」

みんなは完全に興奮している。

「まぁ話を聞け」

『はい…』

「そして私はこの学校に来た。そしてみんなが入学する前に事件が起きたの」

「事件…?」

「うん…。まえ…。いや、小太郎が義姉さんに捨てられたんだ」

「捨てられた?」

「そう。そして小太郎は兄さんの所に住む事になったんだ。そして小太郎は何もかも失ったような人になった。そしてもう一つ事件が起きた」

希ちゃんは悲しい顔になって言った。

『小太郎が兄さんと一緒に山に行ったんだ。そして小太郎は頂上まで走ったそうだ。行く前日はすごく楽しそうだった…。本当に心の底から笑ってた…』

希ちゃんはうつむいたままだった。

『なのに…。兄さんは…』

そして泣きながら言った。

『小太郎をかばって死んだんだ…』