「えっ…?」

私はただただ驚いていた。

「冗談…。でしょ?」

「本気だ」

亮磨は本当に真剣な表情だった。
私はその表情がどうも悲しそうに見えた。

「あの…。私…」

私は返事を何か言わなくちゃと思い何かを言おうとしたが、

「返事はまた今度で良いから…」

そう言って亮磨は私から離れた。
そして時計を見てこう言った。

「時間だ。帰ろう」

そして私は小さく頷いた。
そして歩き出した私達。

その帰りの途中はずっと沈黙が続いたが、亮磨はある事を話した。

「俺…。今日、この旅行の帰りでそのまま空港に行くんだ…」

「えっ!?何で…」

「荷物とかはまた来るって…。だから今日は最後の日だ」

「何の…?」

そして亮磨は悲しく笑って言った。

『俺の中学校生活がだ…』

「えっ?帰ってこないの…?」

「日にちは決まってない。でもたぶん…。卒業は出来ない…」

「そんな…。でも何で急にアメリカに…?」

私がそう聞くと亮磨は一瞬口を動かした。
そして…。

「これが俺なりの償いだ…」

そう言った。
それからまた沈黙が続いた…。

そして私達の危険な旅は終わった…。