そして私達は色々な所を回った。
手をつないだままなので周りからはカップルに見えるのか、こそこそ話してる声が聴こえた。

すると亮磨は小さな声で言った。

「ごめんなぁ…。何か…」

「ぜ、全然良いよ…」

そして私は照れながら言った。

『私が迷子にならないようにでしょ?』

そして亮磨は優しく笑った。
私もつられて笑った。

それからイルカのショーを見たり、ふれあいコーナーに行ったり…。
とにかく楽しく過ごした。

そして時間も時間だったので最後にお土産コーナーに行った。

「わぁ~!!かわいい!!」

私は入るなりそう言った。
それを見て亮磨は私に聞いてきた。

「どれが一番好き?」

そう聞かれて私は一つしかないピンク色のイルカの人形を指差した。

「これ!!」

そう言うと亮磨は反対方面を指差してニヤッと笑った。

「あれも良くね?」

「ん?どれ?」

私が歩いて見に行くとさっきまであったイルカの人形がなくなっていた。

「あ~ぁ!?」

そして一緒に亮磨も居なくなっていた。

「何で二つも…」

そして私は一人で外に出た。
その外も私ひとりだった。
私が落ち込んでいると…。

「どうかしましたか?和田菜月さん?」

「えっ?」

前を見るとイルカの人形が。

「あっ!!イルカちゃん!!」

それを持っていたのは亮磨だった。

「どうして亮磨が!?」

「えっ、これ?買った」

「何で?私が買おうと思ったのに…」

私がそう言うと亮磨は私の頭の上に人形を乗せた。

「えっ?」

「プレゼント」

私は受け取ると笑顔で言った。

「ありがとう!!」

そう言うと亮磨は無言で私に抱きついた。

「えっ!?亮磨!?」