同じくその頃。

麻奈は一人海で歩いていた。
後ろから西山が走って来た。

「片桐!!」

そう西山が叫ぶと麻奈は振り返った。

「西山…」

「お前、高島に何言われたんだよ!?」

「えっ…?」

「もし変な事吹き込まれたなら言う!俺と和田は何にもない!!あいつと俺はな、互いに協力しただけだ!!勝手な想像はやめろ!!」

西山は心臓に手を当てながら息を荒くした。

「西山!叫ばない方が…」

「お前が信じてくれるまで叫ぶ!!」

「西山…」

すると麻奈は目を閉じた。
そして目を開けた。
そこに居たのは麻子だった。

麻子はフッと笑った。
そして西山を見た。

「ごめん。信じるよ」

「麻子…?」

「麻奈の気持ちは私がコントロールしてたの。だから麻奈は悪くない。しかも元から信じてたよ」

「そっか…。良かった…」

「じゃあ行ってきたら?」

「えっ…?」

「大山未来の所」

「何であいつが…」

「好きなんでしょ?」

「そうだけど…」

「じゃあ告白に行ってきな!今日しかチャンスは無いよ?」

そう麻子が言うと西山は

「俺はもう前に進まなきゃいけない。そのためには未来の事もけじめをつけなきゃいけないんだ…」

「春樹?」

そして西山は大きく息を吸ってこう言った。

『麻子。俺と付き合ってくれ』

「えっ…?」

「本気だ。今はまだあいつが頭の中居るけど…。けど忘れれる気がするんだ!!だから…。俺と付き合ってくれ!!」

麻子は泣いた。
そしてとびっきりの笑顔で…。

『当たり前じゃんか!!』