まるで、大志に恋をしているみたいに……。


って、そんなことあるハズない!!


ブンブンと首をふって、あたしは自分の考えを打ち消した。


今までずっと一緒にいて、ドキドキしたことなんて一度もない。


今日、たまたまそんなことがあったからって、これが恋だなんて思えない。


きっとあたしの勘違いだ。


「恋羽、授業はじまっちゃうから行くよ!」


あたしは勢いよく恋羽の腕をつかみ、ドアへと向かう。


その時、「千沙!」と、大志に呼び止められて、あたしの心臓は再びドキッとしてしまった。