~千沙side~

大志の怒鳴るような声を呆然としながら聞いたあたしは、ホームルームのチャイムがなっている事にも気がつかなかった。


恋羽が「かっこいいっ!」と、飛び跳ねて言ったことで、ハッと我に返ることができた。


な、なに、今の……。


まるで大志が大志じゃないみたいだった。


幼馴染だから、いつも一緒にいるから、大志のいろんな顔を見てきたけれど……。


でも、今の顔は見たことがなかった。


心臓がドクドクとうるさくて、顔が熱くて、胸がギュッと締め付けられる。