至近距離に、一瞬頭が真っ白になる。


けれど俺は千沙を優しく抱きしめた。


「大志があたしをここへ呼ぶなんて、珍しいから」


「は?」


「……なにか、あるんでしょう?」


その言葉に、俺の心臓がドキッと跳ねる。


千沙は俺のことをなんでも見透かしているようだった。


「……今日、悪い連中をやっつけてくる」


「赤旗じゃなくて?」


「あぁ。もっと、悪い連中だ」