一応互いの番号やアドレスは知っていたけれど、頻繁に連絡をとるようなことはなかった。


まぁ、元々家が隣だしな。


「今、授業中だろ」


俺がそう言うと、千沙はふくれっ面をして「大志が呼んだんでしょ」と、言った。


「そう怒るな」


俺は千沙の頭をいつものようになでた。


すると突然、千沙が俺の胸に顔をうずめてきたのだ。


両手がしっかりと背中にまわされる。


「おい、どうした?」