「た……いし。待ってて……バッグ取ったら、すぐに戻って……」


ヨロヨロと立ち上がり、バランスを崩してこのまま倒れてしまう。


うまく動けない自分に、涙がにじみ出てくる。


こんなにのんびりしている暇なんてないのに。


早くしないと、大志の命が危ないのに!!


ずるずると這うようにして、出口へと向かう。


「うっ……ひっく……」


どうして、こんなことになったんだろう。