俺は、自然と千沙の体を抱きしめていた。


こんなに小さくて、こんなに華奢な千沙を、ほっておくワケがないだろ?


「千沙……。俺は、お前のためならなんだってできるんだ」


「え……?」


「知らなかったろ? もう、ずいぶん前からだ。俺が、お前に……」


『惚れているのは』


そう、続けたかった。


けれど、俺の言葉は続かなかった。


鋭い痛みが、背中に走る。


千沙が、腕の中で悲鳴を上げる。