でも、千沙を傷けるやつは全員俺の敵でしかない。


散々殴ったあと相手が気絶し、ピクリとも動かないことに気がついて、俺は手を止めた。


このまま海に投げて捨ててやろうかと思ったが、今は千沙を助けることが先決だ。


俺はすべて開ききった倉庫の前に立つ。


倉庫の中央あたりに、椅子に拘束されている千沙の姿があった。


「大志……!」


俺を呼ぶ千沙の声はか細く震えていて、俺は更に怒りを掻き立てられた。