「あれ?…楽譜一枚足りない!今日の合奏でやる曲なのに…」


俺から少し離れたところで、そんな声が聞こえる。



「えぇ!?ヤバいじゃん!!私も探すよ」



ん?この声…


俺は思わず顔を上げた。



「ごめーん…ありがと、由衣。」



菊池由衣。
2年生でクラスが一緒になったやつだ。


…多分向こうは知らねぇだろうけど。