そのころ、ほかのみんなはいくら探しても見つからない私たちを心配し、親も協力して探し続けていた。

その事実を知らない私たちは、鬼が来るのをじーっと待っていた。

「……、来ないな。」

ぽつんと颯太がつぶやく。

私もホントに見つけてくれるのかすごく心配だった。

「夏生、俺さ、みんなのことを探しに行ってくるからそこで黙って待ってろよ」

「え、一人でいるのやだよぉ……」

外はだんだんと暗くなってきた。

私は暗いところが嫌いだった。

「でも……」

「やだ。私も行く。優が逆に迷子になって見つからなかったらやだもん」

「……………、んじゃ、行こっか。」

優が差し伸べてきた手をしっかり握ってわたし達はみんなのところへむかった。