「詳しい事は、帰ってから話すと言われました」

苦笑いを浮かべ飛鳥さんに言う。

飛鳥さんは、溜息を一つはいた。


「・・・そうか、じゃあ、デートはお預けだな」

「・・・すみません」

落胆してしまった私の顔を見て、

飛鳥さんはクスッと笑うと、私の頭の上に、

言葉を落とす。


「…次のデートの予約、してもいいか?」

「・・・へ?」

ピクリと反応した私は、俯いていた顔を

そっと持ち上げた。


・・・チュッ///。

不意打ちのキスに、目を閉じる事も出来なかった。


「フッ…キスの時は、目を閉じろ」

「・・・きゅ、急に」

また俯いてしまった私を、飛鳥さんは優しく抱き寄せた。


「予約したからな?」

「・・・は、い」

…次のデートの約束をした事。

…飛鳥さんにキスされた事。

…こうやって、優しく抱きしめてくれた事。

凄く、凄く、嬉しかった。

…ただ心残りが一つ。

それは、『好き』だって、言えなかった事。