22年間、誰とも付き合った事がない。

男と話をした事すらほとんどない。

彼女は恥ずかしそうに言った。

…こんなに純真無垢な女性が、この世に存在することに

俺は驚いた。


でもだからって、それが断る理由にはならない。

この先、薫子は誰かと付き合い、結婚する。

それは他の男じゃダメだ。…この俺じゃなきゃ。


だから友人になる提案をした。

ゼロからすべてを始める。

薫子に、俺と言う男を知ってもらうために。

俺を知り、好きになってもらう為に。

薫子の返事は・・・?


「お友達として、宜しくお願いします」


断られやしないかとヒヤヒヤしたが、

薫子の答えを聞いて、安堵した。

友人からのスタートって言うのも悪くない。

互いに互いを知り、それが愛に変われば、

それはそれで幸せだ。

薫子との時間は、何事にも代えがたい、

俺にとって、大事な大事な時間となった。


…薫子はどう思っているのか、わからないが。