薫子の答えに、固まった。

「キミって・・・卵のですか?」

…何の冗談だ?と思わずにいられない。

それとも、話を逸らす為にわざと言ったのか?


俺は薫子の表情を真剣に見つめた。

…しかし、オレの思いはすべて外れているようだった。

薫子は真剣に、そう思ったと言う顔をしている。


その次の瞬間、俺は吹き出していた。

君を、卵の黄身と間違えるなんて、誰が想像できる?

笑い出したオレを見た薫子は、不機嫌そうな顔をしていた。

早く、誤解を解かねば。

そう思いながら、一から説明すると、

薫子の顔はみるみる赤くなっていった。

・・・そんな薫子が可愛いと思えた。

きっと彼女は天然なんだな。友人たちも手を焼いてるに違いない。

でもそれが薫子の魅力にもなってるだろう。


「星野薫子さんに一目惚れしたんだ、だから付き合ってほしい」


俺は真剣に自分の気持ちを伝えた。

・・・

「・・・ごめんなさい」

彼女はなぜか、不安そうな顔つきで告白を断った。

何でそんなに不安そうなんだ?

その理由を聞いて俺は驚きを隠せなかった。