…今日は、外に出る仕事もなく、

社長室で仕事をこなしていく。

…が、その仕事も、今までそんな事はなかったのに、

落ち着かなくて、イライラして、ソワソワして、

全く手につかない。

・・・そんな状態がどれほど続いていたのか?

バタン。

勢いよく、ドアが開け放たれた。

驚いたが、すぐに冷静になったフリをして言い放った。


「ドアを開ける時は、ノックくらいしろ」

「…す、すみません、社長」

石坂は慌てて頭を下げた。


「…何の用だ?」

「彼女と約束を取り付けました」

「!!」

驚きと嬉しさで一杯なくせに、それを表に出さない。


「・・・彼女はいいと言ったのか?」

「え、はい、たぶん」

…なんなんだ、その微妙な返事は?


「…で、どこに行けばいい?」

「○○○レストランに7時です。僕がそこまでお送りしますので」


「・・・わかった」

俺の返事を聞いた石坂は、社長室を出ていった。

…社長室で、小さくガッツポーズをしたことは、

誰にも言えない秘密。