…午後0時15分。

少し遅れて、石坂と共に社食に向かった。

社食に入るなり、注目の的。

…予想はしていたが、イヤ予想以上だったかも知れない。


社長になって初めて社食を利用した。

俺がここにいる事が珍しいのは分かる。

でもだからって、そこまで見なくても・・・

一瞬引き返そうとしたが、石坂に止められ、

渋々中に入っていく。

2人で日替わり定食を頼み、それを持って、

空いてるテーブルを探していると、



「あ、彼女ですよね、受付の女の子」

石坂に小声で言われ、小さく頷いて見せた。


「じゃあ、あそこに座りましょう。

相席するのは、この社食じゃ珍しくないですからね」

そう言った石坂だったが、2人の足は途中で止まってしまった。

・・・なぜなら、

彼女と友人の間に男が一人、座ったから。

しかも、そいつは俺に気が付くと、ニコッと笑った。

俺はこの男が会社の中で一番嫌いなヤツだった。


…仕方なく、空いてる席に座り、食事を始める。

とても仲良さそうに話す3人を見て、なんだかイライラした。