そう言った石坂は何か考え込んでいた。

「何を考えてるんだ石坂?」


「…社長」

俺を真っ直ぐに見つめた石坂。


「・・・なんだ」

「まずは話をする事から始めませんか?」


「・・・どうやって?彼女は受付嬢で、話しかける事なんて

出来るわけがない」

…と、言いながら、一度は話しかけたのだが、

それが不発に終わった事など、言えるわけもなく。



「仕事中は無理ですよ、ですから、

昼食時間を狙ってみるとか?」


「…昼食時間?」


「ええ、この会社の社員は、ほとんどが社食を利用します。

社長も社食に一度行ってみてはいかがですか?

きっと・・・その彼女もそこにいるはずですから。

話しかけにくかったら、僕からきっかけを作りますから」


石坂はそう言って満面の笑みを見せた。

本当に張り切ってる様子が見ててわかる。


「…石坂の言う通りにしてみるか」

不本意ではあったが、石坂の言葉に従うことにした。

他の社員の目は気になるが・・・