「星野さんみたいな子が、

今まで周りにいなかった・・・

見るからに純粋そうで、笑顔が可愛くて、

でもどうやって君を誘えばいいかわからなくて…

オレは社長で、君は社員だし・・・

だから、石坂に頼んだんだ。キッカケを作る為に」



「・・・ご、ごめんなさい」


私の唐突な返事に、社長はなぜなのか聞いてきた。


「…なぜ?オレが社長だからか?」


「…いえ、それが理由じゃないんです」

「・・・じゃあなんだ?」



「…あの、笑わないでくださいね」

「…笑わないよ」



「もう22歳ですけど、その・・・

男性とお付き合いした事なんて今まで一度もないんです。

それどころか、男性とお話しすることも、

今までほとんどなかったんです・・・だから」