【飛鳥side】

夜にもかかわらず、俺達は婚姻届を貰いに行き、

それに署名し、石坂と、薫子の友人、みっちゃんに

サインをしてもらった。


「こんな時間に何事かと思ってビックリしたよ」

そう言って笑っているのは、みっちゃん。


「ゴメンね、善は急げって急に書くことになって、

でも、それを同意してくれる人もいるっていうから、

思いついたのがみっちゃんしかいなくて」

そう言って苦笑いしてる薫子。


そんな会話を黙って聞いていると、石坂が俺に声をかけた。

「本当に突然すぎますよ。二人を祝福してますから、

快くサインはしますが、薫子さんのご両親に挨拶もまだなのに、

こんなことしてると、順番が逆だって、怒られませんか?」


「・・・まぁな。それは俺も思った。でも、薫子の名字を西条にしてから、

仕事をやらせたかったからな・・・

結婚式も、全く予定を立てていないし、ご両親にも、改めて

薫子と二人で挨拶に行くつもりだ」

今の状況と、今後の事を石坂に話した。


「結婚式や披露宴なんかは、時間をかけて決めた方がいいですが、

ご両親の挨拶は早い方がいいと思いますので、仕事の方は、

週末をめどに、調整しておきます。

星野さんのご両親の都合も聞いておかないといけませんから、

ご確認お願いします」

石坂の言葉に、頷いて見せた。