ありえない人からの突然の告白。

大好きで信頼してる東吾。・・・でもそれは、

兄のようだと思ってるからで、恋愛感情とは違う。

恋愛を知らない私でも、この事だけはハッキリ言える。


「…東吾さん、私は」

「西条社長なんかじゃ、薫子の事を幸せになんてできないよ。

すべてを知ってるオレの方が、何倍も薫子の事を幸せに

…絶対幸せにして見せる」

そう言った東吾は、私を自分の方に向けた。



「…愛してるよ、薫子」

その言葉を言い終えると同時に、東吾の顔が、

私の顔に近づく。…これは、キスをしようとしてる。

…違う!…私がキスをしたいと思えるのは。



「…ヤダ!飛鳥さんがいい!」

「・・・薫子」

私は感極まって潤んだ瞳で訴えた。


「私が好きなのは、飛鳥さんだけ!東吾さんは、

私のお兄ちゃんだもの…だからこんなこと」


…私の言葉に、東吾は大きな溜息をついた。