…心はどんよりと真っ暗な曇り空みたいなまま、
でも表面上はずっと変わらず笑顔のまま、
定時まで仕事をこなし、午後5時半。
私と玲子さんは仕事を終えた。
「お疲れ様でした」
「お疲れ、薫子ちゃんは呑み込みが早いから、
教えがいがあるわ、これからも頑張ってね」
「はい!・・・あの」
「・・・ん?」
「私ちょっと、化粧室に行ってきますね」
「はいはい、私は先に更衣室で着替えとくから」
「はい」
受付から私と玲子さんは別々の方向に向かう。
私は誰もいない場所を見つけ、名刺を取り出した。
…秘書の石坂さんの携帯を鳴らす。
もちろん断りの電話をする為に。
…それなのに、何度鳴らしても携帯は繋がらない。
困った…断りたいのに、断れない。
…それならいっそのこと、社長室に行ってみようか?
そう思い立った時だった。
足早に石坂さんと社長が社の外に向かって歩いていく。
声をかけようと思ったが、2人ともとても急いでいるようで、
喋りかけるなんて事は出来なかった。
・・・あ。
石坂さんが私を見て、ちょっとニコッとした・・・のに、
やっぱり喋りかけられなかった。
でも表面上はずっと変わらず笑顔のまま、
定時まで仕事をこなし、午後5時半。
私と玲子さんは仕事を終えた。
「お疲れ様でした」
「お疲れ、薫子ちゃんは呑み込みが早いから、
教えがいがあるわ、これからも頑張ってね」
「はい!・・・あの」
「・・・ん?」
「私ちょっと、化粧室に行ってきますね」
「はいはい、私は先に更衣室で着替えとくから」
「はい」
受付から私と玲子さんは別々の方向に向かう。
私は誰もいない場所を見つけ、名刺を取り出した。
…秘書の石坂さんの携帯を鳴らす。
もちろん断りの電話をする為に。
…それなのに、何度鳴らしても携帯は繋がらない。
困った…断りたいのに、断れない。
…それならいっそのこと、社長室に行ってみようか?
そう思い立った時だった。
足早に石坂さんと社長が社の外に向かって歩いていく。
声をかけようと思ったが、2人ともとても急いでいるようで、
喋りかけるなんて事は出来なかった。
・・・あ。
石坂さんが私を見て、ちょっとニコッとした・・・のに、
やっぱり喋りかけられなかった。