片付けを終え、リビングに向かった。

・・・薫子が、窓の外を、眺めている。

その顔が、やはり、どこか切なげで、抱きしめずにいられなかった。


「…どうした、薫子?」

優しい口調で問いかける。


「…どうもしませんよ…飛鳥さん」

ゆっくりと、こちらに振り返った薫子は、俺を見上げた。

・・・その何とも言えない色気に、胸が高鳴る。


「薫子を、抱きたい」

「・・・」

突然の言葉に、薫子の返事はない。

初めての事なのだから、うろたえるのも無理はない。

まだそれを求めるのは、早いか・・・?


「イヤなら「そんな事!・・・ありま・・せん」

真っ赤な顔で、そう言って薫子は、顔を隠すように、

俺の胸に顔を埋めた。

・・・初めての薫子が、怖くないように、

…優しく、優しく・・・キスも、愛撫も・・・

最初は少し身を固くして、震えていた薫子だったが、

いつの間にか、すべてを俺に委ね、緊張もなくなっていた。


・・・今宵は甘く、最高に幸せな時間を過ごした。