身支度を済ませた私は、もう一度だけ、

鏡を確認する。・・・よし、準備OK。

遅刻ギリギリではあったが、何とか職場に到着した。


「おはよう…今朝はなんだか幸せそうね」

そう言ってクスクスと笑う玲子さん。


「おはようございます・・・そうですか?」

自分では顔に出してるつもりはないんだけど。


「薫子ちゃんって、分かりやすい…フフ。

まあ、幸せなのは良い事だから」

そう言った玲子さんは、私の肩をポンポンと叩いた。


今日は、いつにもまして、仕事は順調に進んだ。

仕事が終わったのは、いつもの定時の時間。

「お疲れ様でした」


私は笑顔で挨拶をし、会社を出た。

「…ぁ」

その笑顔は、一瞬にして、凍りつく。

せっかく良い一日で終わろうとしてるのに、

何でこんなところで会うのかしら。


「お疲れ」

そう言って微笑んだのは、

私の天敵、水野さん。