その私の顔を見た飛鳥さんは、

安堵したような、私の顔が可笑しそうな、

緩んだ笑顔になっていた。


「俺は二股をかけるほど、軽い男じゃない。

疑うなら、一回華蓮に会ってくれるといい。

彼女の口からも、同じ言葉が返ってくるから」


「…本当に、お姉さん？」


「あぁ、本当に」


「飛鳥さんの彼女は、私？」

「当たり前だ、華蓮が彼女とか、気持ち悪い」

・・・間抜けな顔は、いつの間にか、満面の笑みに変わっていた。

そして、あろうことか、自分から、

飛鳥さんに抱きついていた。

ギュッと、ギュ～ッと。


「俺には薫子だけだから・・・昨晩だって、

薫子に会うつもりで、驚かせようと思ってたのに、

あんなところで会って、誤解させるようなことをして…

悩ませて悪かった」


「ううん、いいんです。

私が勝手に誤解してただけなんですから・・・

悪いのは、私です、勝手に誤解してごめんなさい」

私の言葉に、飛鳥さんは黙ったまま、私を抱きしめてくれた。